お味はいかに!? おいしいと噂のアナグマを塩焼きで試食してみた
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ジビエ・ワイルド料理

ハンター間で肉を融通しあうことはわりとあります。デッドストックのカモ肉をカモ好きハンターに引き取ってもらったところ、お返しにアナグマ肉がうちにやってきました。歓迎━━(゚∀゚)━━光臨!!!

アナグマのサイズ感はよくわからないのですが、思っていたよりは小さい。これが標準ってことはないと思うんだけどなぁ。
でもその分、めちゃめちゃ脂乗ってる! こりゃすげぇ! (・∀・)
はじめてのジビエ食材なのでいつも通り、素材の味がわかりやすいよう塩こしょうオンリーでテイスティングしてみます!
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アナグマの精肉

あまり大きくないと思ったけど、全体から肉を削ぎ集めてみるとそれなりの量になりました。つーか、どうよこの脂の量。絵面のほとんどが白じゃないか! (・∀・)
あと、後ろ脚だと思っていたものは精肉中に肩甲骨が出てきて、実は前脚だったことが判明。アナグマはじめてとはいえ前脚と後ろ脚をまちがえるか普通…。orz

アバラはスペアリブとして食べるので、腹腔内部の薄皮をぺりぺりっとはがしておきます。こいつがついたままだと臭みが出るのです。
焼き魚とかでも、はらわたのあった場所は内臓を抜いてあってもちょっと味が変だったりしますよね? あれと同じ理屈です。魚の場合は細かすぎていちいち取ってられないんだろうけど。
薄皮をはがし終わったらアバラを背骨から分離していきます。ちょっと手間だったので画像撮り忘れ。でも身も脂も上々、これはうまいはず!

スペアリブはまた今度。今回は肉のみ、味付けは塩こしょうオンリーです。酒振りかけるとかもなし。

なんせこの脂乗りなので、フライパンも脂の海になる…かと思いきや、そこまででもない様子。皮付きの鶏ももとかはこれより脂乗りは少なくても、フライパンに流れる脂の量はすごいんですけどね。
鳥は鳥でも鴨とかはそんなことないから、やっぱりブロイラーが不自然なんでしょうね。

いい具合に火が通りました。さてお味やいかに!
アナグマのシンプル塩こしょう焼き 食後の感想
味というかなんというか、ものっそいニュートラルさにまず驚きました。臭みとかクセとか、そういったものがほとんどと言っていいほど感じられません。これがほんとにジビエか…! ハッキリ言って、そのへんのスーパーで売ってるグラム100円程度の安売り市販肉よりはよっぽど上です。
海外ものの鶏とか、あと牛の形成肉とか、ひどい時はもう途中で箸を置きたくなるほど臭い時ありますけど、あんなのとは比べものにならないほど自然で優しい味わい。
食感は牛と鶏を足して二で割ったような感じ。さすがに高級市販肉のやわらかさにはかないませんが、ほどよい弾力とコロコロ感。サイズ的にもこの個体は若い個体だったんじゃないかという気がするので、そのへんは引き次第ということも考えられますけどね。なんせジビエなので。
いやいや、話に聞いていたとおり、とてもおいしく食べられました。アナグマ。捕獲後処理の手際もよかったのでしょう。
ただ、脂は乗っていても、クセのなさから淡泊な印象を受けます。脂は乗っているけど淡泊であるという珍しい事例です。
カモのような単体での主張がないと言えばいいのか。カモはどう味付けしてもカモ感たっぷりだけど、アナグマは味付け次第でどうとでも変身しそう。レシピも悩みそうです。
そのままでも十分食べられる、でもさらにおいしくするには調理者の腕というかセンス…引き出しの数、懐の深さが問われるジビエ食材だと言えるでしょう!
もらいものですらこうなんだから、自前で獲ったものだともっと(自己満スパイス効果で)うまいんだろうなぁ。
以前にもいや増してアナグマを獲ってみたくなったspinickerなのでありました。( ・`ω・´)
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Comment
写真を見ていて、私も体~足だと思っていました。半身なので、「お尻(肛門)、どんな風に清潔を保ったまま、切ったんだろう。。。」って考えながら見ていたのですが、前足だったのですね。
半身と言えば、90センチ級の猪の半身を知人にあげたら、シャトレーゼのケーキになって帰ってきました。。。
アナグマは見たことがありませんが、ドッグフードをエサにしたら、タヌキが3回掛かりました。タヌキがいるのなら、アナグマがいてもおかしくないはず。タヌキは逃がしましたが、アナグマが捕れたら食べてみたいです!
シカの腕肉なんかは煮込みにでもしないと硬いものだけど、このアナグマは焼いただけでも柔らかくて普通に食べられました。アナグマあなどりがたし!
狙って獲れればいいんですけどねえ。エサ何がいいんだろうか。タヌキは何でも食べそうなイメージが。。。