鳥猟ハンターがシギ類を捕獲するときに注意するべきこと

公開日: : 狩猟ヒヤリハット・事故

拒絶

うまくいった体験、会心の出来事というのは自分以外の人と共有、あるいは自慢をしたくなることがあります。それが人情というもの。

でも、いろいろと関連法のきびしい狩猟においては、安易な情報の発信がのちに思わぬ形となって拡散してしまうことがあるのです。

今日は過去実際にあった事例と、もしかしたらこれから先にあるかもしれない事例を挙げてみようかと思います。

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実例:カモ類の誤射

コガモ

狩猟読本より

以前「鳥猟ハンターがカモ類のメスを捕獲するときに注意するべきこと」で触れていますが、実際にカモ類の誤射に気づかずそのまま出版に至ってしまったアウトドア雑誌がありました。

詳細は割愛しますが、Fielderという雑誌でトモエガモの誤射、そしてHUNTという雑誌でオカヨシガモとおぼしき捕獲個体が掲載される。ということが実際に起こってしまったのです。

オカヨシガモの方はマガモとまちがえやすいメスならともかく、どうやら撃たれていたのはオスのようで、何と間違えたのかちょっと釈然としませんが、トモエガモの方はコガモのメスと錯誤した結果。上記で僕も冷や汗かいたパターン。コガモ♀の画像サイズを小さくするとくちばしの横に白斑があるように見える場合がありますね(当地でトモエガモはレア中のレアで僕はまだ一度も見たことがないですが)。

危険予測:シギ類の誤射

シギ

狩猟読本より

ジビエの本場、ヨーロッパで「ジビエの王様」と呼ばれるほど味がいいとされるのが、日本でも狩猟鳥である(京都のように禁猟の地域もあるようです)ヤマシギ。彼の地では「ベキャス」という名だそうで。僕も一度獲ってみたいのですが、未だ出会いのないターゲットです。orz

一方、シギは田んぼにも生息しています。こちらも同じく狩猟鳥であるタシギ。味はヤマシギに負けず劣らず素晴らしいそうで、これも獲ってみたい!

…獲ってみたいのですが、タシギの射獲にはものすごく高いハードルがそびえ立っています。

というのも、タシギとは別にハリオシギ(非狩猟鳥)、チュウジシギ(非狩猟鳥)、オオジシギ(非狩猟鳥)という、外見の非常によく似た近縁種が、これまた非常によく似た環境(湿地帯)で生息しているのです。

ジシギ四兄弟

http://www23.tok2.com/home/ebi/jisigi.htmより抜粋

はい。こいつらです。どれかがタシギでどれかがオオジシギでどれかがハリオシギでどれかがチュウジシギです。

なるほど、はっはっは。わかるかハゲ。orz

タシギ属4種(ジシギ類)の識別

えーっと、正解は左上がタシギ、右上がオオジシギ、左下がハリオシギ、右下がチュウジシギ。となっています。

動くことのない画像を時間をかけてじっくり見比べてみてもわからないのに、猟場でこいつらを撃つまでにきっちり識別できるかと言われたら…超自信ないっす。

尾羽の枚数が違うとかタシギは次列風切の先が白であるとかが識別ポイントだということですが、そんなもん遠目から見て識別するのは至難の業。(+_+)

もちろんタシギ以外は非狩猟鳥なので、タシギのつもりで撃って公開して実はタシギじゃなかった、なんてことになったら、先述のような騒動に発展することは十分にありえます。

Fielderの件では編集部から問題の経緯がpdfで発表されています。やはり大変なことになるようです。

シギ類の誤射はまだ僕は聞いたことありませんが、狩猟ブログの数もブームに沿う形でちょっとずつ増えてきているようなので、もしかしたらこれから先顕在化してくるかもしれません。

引き金を引くなら、公に開示するなら、絶対の自信と十分な確認をもって! ということですね。

僕も以前冷や汗をかいた者として、これから先シギ類を獲って食べてみたい者として、重々気をつけていく所存です。( ・`ω・´)ゞ

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Comment

  1. 天之 より:

    私もタシギにお目にかかったことはありませんが、これは出会っても判別できませんねー
    ひょっとすると「誰も判らない」のでは…だとしたら

    • spinicker より:

      >「誰も判らない」のでは…だとしたら
      おっと狩猟界の闇に触れるのはそこまでだ。( ・`ω・´)

      シギ類もアレだけど、四つ足もたいがいですよね。
      ノイヌノライヌイエイヌノネコノラネコイエネコ。暮らし方がちがうだけで同じ生き物じゃないかと。あとチョウセンイタチとニホンイタチあたりも見分け難しそう。

      ターゲットとして不人気だからこれからもまちがいはまぁ出ないだろうけど、このへんの見分けもレベル高すぎと言えそう。。。(´・ω・`)

  2. シャミ より:

    こんにちは、投稿するのははしめましてです
    来年から猟をやりたいと思っている者です。

    カモ類は難関ということは知っていたのですが、シギ類もでしたか‥
    このブログを見ていて、来年への期待が高まっていましたが、やはり銃の事故や誤射など気をつけなければいけませんね(^_^;)

    • spinicker より:

      はじめまして!(・∀・)

      来年が楽しみですね。シギ類はレベル99ぐらいの間違い探しみたいだし、カモにしてもマガモ♂の横にいる地味なのがマガモ♀とは限らないわけで、一筋縄ではいかない場合があるのも確かです。来シーズンまで時間はあるのでバッチリ見分けられるようになってください!(^q^)

  3. ltchughes より:

    うわぁ、4シギ、全く分かりません!!

    やはり当面は、間違えようのないイノシシとニホンジカで。。。

    • spinicker より:

      僕もさっぱりです。orz
      ただ、ヤマシギは頭の模様が特徴的であれならわかるかも。タシギ四兄弟はあきらめてヤマシギ探すかな。

  4. nobita より:

    はじめまして、今は北海道在住の元内地狩猟者です。

    若い方はご存じないだろうことを下記に記します。これは今は鬼籍におられる師匠(東京オリンピック=もちろん1964年の際に、射撃の日本代表に教えていたという方です。当時はいい耳栓がなかったそうで、たばこのフィルターで代用していたそうですが、師匠は晩年近くはかなり耳が遠かったです)から聞いたことです。

    タシギ(味):脂がすごく、非常に美味。どうして穀物を食べているのに焼くとジュウジュウと脂が絶え間なく垂れてくるのか不思議。

    シギ類の見分け方(バードウォッチャーでなく、鳥狩猟者向けとして):タシギとヤマシギは、いる場所がぜんぜん違うし、飛び方、大きさが全然違う

    ・・・・といっても、これは大型農業機械が入る前の、ある程度フォーマット化されていた内地のカントリーサイドについての教えなので、現在のように当時よりもあらゆる意味で複雑化している猟野には通用しない情報だと思います。

    師匠に誤射しやすい非狩猟鳥との見分け方を伝授してもらおうと質問すると「○○君はまだまだダネ。見れば飛び方、シルエットがぜんぜん違うじゃないか」とずいぶん諭されたものです。

    昔の狩猟者がいかによく鳥獣を観察していたかがわかりましたが、同時に狩猟鳥との出会いの頻度の桁が違うことがわかり、実に悲しい思いもしました。もう20年以上前の話ですが。

    当時、師匠に言われたのは「昔は猟犬も先輩犬についてマネすることで、2歳で1人前になったが、今は獲物が少ないので5歳を過ぎても一人前になれない」とは昭和も終わりのころの話です。これは狩猟者も同じだと思います。

    その当時に聞いた、特に農薬が登場する前の日本の猟野の姿は、銃猟狩猟者には本当にパラダイスだったのだな、と痛感しました。例としては千葉県の習志野で戦後間もなく、コジュケイが200羽で群れ、銃をつかわずに捕まえようとして、脇の下に入って捕まえたなど。

    師匠曰く、「キジが減ったのは狩猟者のせいではない、農薬が農業用水を流れるようになってすぐに劇的に減った」とのこと。

    これはもうご本人が鬼籍に入られているので、後の人に語り継ぐということであえて書きますが、昭和の終わりごろの関東某所で、ある時期に月刊GUN誌の「空気銃入門」にも紹介されていた“名人”の猟行に同行する機会が、小生の猟友なのですが、ありました。

    “名人”はほぼ違反行為の矢先の危険な状態でも発砲をした、昔のおおらかな時代の空気銃猟のアバウトさを知った。また、ニュウナイ雀と誤りカワラヒワを落とし、「これはヤマスズメだ」と土を掘って埋めてしまった、という話も彼から聞きました。

    猟歴が長くその地域の鳥による農林被害の軽減に非常に貢献してきた“名人”ですが、「僕らは年をとってもああはなるまい」と猟友と語ったものです。

    この件は、繰り返しますが小生の猟友から、彼が“名人”と猟場で別れた直後に聞いた話なので、装飾は一切ない「昔話」です。

    前記の小生の師匠はスポーツマン、紳士の遊戯としての狩猟を非常に重んじていた方なので、誤射するようなレベルの方はそもそも共猟をしない人でした。もちろん、小生のような青二才は「疑わしきは撃たない」ことを見極めたうえで、同行を許されたものです。

    なので、かつての“名人”にも、松竹梅があったことをご理解いただきたく、書きました。

    最後にこれは伊藤礼さんの「狸ビール」にも出ていますが、「ヤマシギの5つ飛ぶうちの3つを落とせるぐらいでないと、鳥猟者として一人前を名乗るな」とのこと。

    同じことは熊猟(羆、ツキノワグマ双方)で、20頭獲らないうちは熊猟師を名乗るな、とある年代の方数人に教わりました。

    と書きましたが、僕は鴨と鹿がメインなので、クマ童貞ですが・・・。

    閑話休題ですが、小生に関してはシギ類はヤマシギ、タシギはシルエットが違うぐらいまでは判別がつくようになりましたが、数が少ないので、最初から撃つ気はありませんでした。

    そんなうちに北海道に移住してしまい、ヤマシギは夏鳥なのでもちろん撃てませんし、あとは豪州からの渡りのカミナリシギ(オオジシギ)なども来ますが、もちろん撃つ対象ではありません。

    長文で失礼しました。では、みなさまの無事の安全狩猟をお祈りしております。ああ、そうか、内地はこの15日が解禁ですね。

    • spinicker より:

      はじめまして!(・∀・)

      旧き良き時代の狩猟話、たいへん興味深く、参考になります。ありがとうございます。
      以前いた猟隊にも超ベテランの方がおられましたが、あの年代の人は情熱というか本気度が僕ら世代とはまったくちがう。という印象を受けました。足跡の見切りも的確で。

      ヤマスズメのくだりはちょっと笑ってしまいました。では僕の場合、鳥の判別といえば、遠目でも自信があるのは飛び方でカラス(ふわふわ羽ばたく)、ハト(バシッバシッと羽ばたく)、ヒヨドリ(波形でそこそこサイズ大きい)。シルエットでカワウとカモ類。ぐらいです。まだまだですね。

      精進を積んで僕もシギ類の判別ができるようになりたいと思います。m(_ _)m

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