鳥猟ハンターがカモ類のメスを捕獲するときに注意するべきこと
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最終更新日:2017/11/13
狩猟ヒヤリハット・事故
ハンターが猟をするにあたって留意する点はいろいろありますが、特に銃猟ハンターには気をつけるべきことがたくさんあります。
関連法の遵守はわなでも網でも銃でも同じでしょうが、たとえば矢先の安全。これは銃猟ハンターならではの注意点です。これをおこたると人の命にかかわります。
あと、そこまでおおげさではなくとも、気をつけたいこととして『狩猟鳥の識別』があります。僕も一度冷や汗をかいたことがあるこの問題についてちょっと。
(網猟ハンターにも当てはまる話ですが、網猟ハンターは絶対数が少ないので、ここでは銃猟ハンターの問題として扱います!)
たとえば、「狩りバカ日誌 2014年11月16日」に登場した、この画像。
「アオクビのメス」として紹介しました。マガモの雌ですね。これはまちがってないと思います。
では、僕があげた画像がこんな感じだったとしたら、どうでしょうか。
かなりのやっつけ仕事なうえに手を入れたのが1ヵ所だけで申し訳ないですが、別種のように見せかけるためにちょっと画像を加工してあります。さて、どこでしょう!
正解は次列風切のところですね。メタリックブルーを薄いグレーにしてみました。もしこんなカラーリングのカモが獲れたら、獲ってしまったら。
そいつはおそらくオカヨシガモのメスであると思われます。マガモの雌と似てはいますが、残念ながら非狩猟鳥です!
非狩猟鳥の捕獲が発覚した場合、鳥獣保護法第83条1項の規定には「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」とあります。 (((( ;゚Д゚)))
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今回のこれは一例ですが、カモの雌は判別が実にむずかしい。特に一羽だけでぽつんと泳いでたりするときは(そう多いわけではないですが)、僕はたいていスルーしています。
これがペアだったり群れだったりの場合は判別がしやすいのですが、実はこれも100%の安心ができるわけじゃないのが悩ましいところ。
ハンターとしてまだ3年目なわけですが、それでもカモの群れを目で追っていて「・・・? なにあれ?」という経験をしたことは一度や二度ではありません。
カモという鳥はなかなかにフリーダムな性質なようです。コガモの群れのなかに一羽だけ、おそらくキンクロハジロのメスがまじってるのを見たこともあります。
まぁ、これならどっちにしろ狩猟鳥なのでどっちを撃とうが問題はないのですが、一羽だけで泳いでいる、なんだかわからないカモなんかもいます。
ハンター一年目の年、僕が捕獲した初めてのカモ類はコガモのメスでした。それはもう嬉しくてうれしくて!
画像といっしょに師匠に報告したところ、師匠いわく
「ほー。この画像やとなんやトモエガモのメスみたいに見えるなぁ」
ギョッとしました。ハンターが集まる某掲示板にupして自慢しようと思っていたからです。
詳細な状況やなんかを話し、画像もよく見てみたところ結局やはりコガモのメスである。という結論になりましたが、これがもし本当にトモエガモのメスで、それに気づかず某掲示板にupして、その画像がどこかの正義感あふれる鳥類学者の目に留まったりしたら。と考えると、背筋がゾッとします。
そして、さらに問題がややこしくなっている点として「種の交雑」があります。有名なのが”マルガモ”ですね。マガモとカルガモが交雑したものです。画像検索してみると、まぁ出るわ出るわ。珍妙な個体のオンパレードです!
これまたわかりにくくて申し訳ないですが、なかなか立派なアオクビ。実はこの画像を撮ったのは6月上旬です。
本来であればマガモはシベリアあたりへ渡っているべき時期ですが、できないのかしないのか、なんらかの理由で残る者がいます。こういうのが、ずっと日本にいるカルガモと繁殖したりするのでしょう。事実、過去にはアオクビのオスとカルガモのメスのペアを見たこともあります。
マルガモの捕獲って、法的にどうなんでしょうね? カルガモなのかマガモなのか。どっちかと見なされるならそれでいいんですけど、ひょっと「これは新種と見なす、よって非狩猟鳥である!」なんてことになったら撃つのは違法ですしねぇ。
マルガモの問題はともかく、鳥猟ハンターであればこのようにカモ類の識別はスキルの一つとして身につけておくべきものだと思います。
例のトモエガモ騒動があってすぐ、こんな図鑑を買って、猟場見回りなんかのときにはポケットに入れています。
薄くて小さく携帯に便利で、何より写真ではなく、その種の特徴をよくとらえて平均化したイラストで掲載しているのがわかりやすいです。変な特徴のある個体を掲載してある図鑑なんかは見にくいですからね。お値段も手頃。重宝してます。
ハンターとして鳥類の識別をしっかりできるようになっておくと、僕のように冷や汗をかくこともなくなります。精進精進のハンター生活です!
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