狩猟ヒヤリハットその9 その道路、危険につき。コンクリ林道の特質性
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狩猟ヒヤリハット・事故

狩猟にはさまざまな危険がつきもの。そのあたりは理解しているつもりだし実際に何度か痛い目にも遭ってきています。
しかし今回、今までとは少し毛色の違う「ちょっと見ただけでは気づかない」というリスクを目の当たりにすることがありました。
単騎の忍び猟で、僕は大きい林道をサンバーで走っていました。
大きい林道から枝分かれしている小さな林道(正確には作業道というのですが便宜上「小さな林道」とします)へ入り、しばらく走って、そこからさらに枝分かれしている小さな林道の横を通りがかった時。
…何やら違和感を感じました。
その道に入る予定はないのですが、気になったので車から降りて様子を見てみることにします。

一見、どこにでもある小さな林道です。コンクリの簡易舗装がしてあるぶん未舗装の小さな林道より頑丈かな、という印象。道幅も軽四程度なら余裕で入れます。
しかしこの林道、実は大変危険な状態なのです。
横から見てみると…
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oh…
おそらく去年の台風+大雨で地盤の土壌が流失して下はすっかすか。薄いコンクリ板が一枚だけで浮いている状態です。
僕のサンバーは車重が870キロ。そこへドライバーや荷物が乗って1トン近く。この状態で1トンの荷重を支えられるのかというと…。どうでしょうか。へし折れてもおかしくありません。
そうなれば路面損傷+悪ければ川へ転落、よくても自力では上がって来れないことになるでしょう。

ざっくりした状況はこんな感じ。該当箇所は赤の○です。
厄介なのが、本線から左へ折れて入ったところの右側が崩れている、というところ。これは奥側なので見えません。藪などもブラインドになっています。
この記事の上から二番目の画像が運転席から見える景色に近いのですが、この状態でこの道が危ないことに気づけるでしょうか。
僕はたまたま横を通りがかったので気づけました。最初からここを通るつもりであったなら…気づかずそのまま行ってたと思います。(´・ω・`)
我々ハンターは林道という施設を使わせてもらっている立場なので、何かあっても自己責任ですが、ここを車で通ってコンクリ舗装がへし折れてしまうと、自分だけでなく山主さんにも迷惑です。
流失部分は土囊を積んだりでなんとかなるかもしれなくても、その上のコンクリが失われてしまうと舗装やりなおしですね。いらぬ負担です。ハンター出入り禁止! とかなってしまうかもしれません。
未舗装の土の林道だと崩落・土壌流失は一目瞭然。でもコンクリ舗装だとわからないケースがあって、それゆえの危険も存在する。
林道走行の危険性はいろいろ考えられますが、今回、以上の点を学習できました。さらに用心を重ねてこれからのハンター生活に活かしましょう。( ・`ω・´)
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