狩りバカ日誌 2018年2月11日(散弾銃・巻き狩り)
公開日:
:
狩りバカ日誌2017
曇り 3℃/-4℃
今日はひさびさの巻き狩り。しかも、うちの猟隊にしては豪華な猟犬二頭立てである。
ベテランの白い紀州犬と、
今期デビューした1歳数ヶ月の黒い紀州犬。
広い山ではないし、今日はメンバーも5人いるし、まぁ獲れる確率の方が高いだろう。
僕は追い山のど真ん中、獣道の要衝に陣取ることにした。今日は犬を一頭ずつ違う場所から入れるので、この場所だとどっちからでも獲物が通る確率が高い。駐車場所から歩く距離は少々長いが、期待値は高い待ちである。
二頭の猟犬はよく動いたが、ベテランの方は追い山を離れた獲物を追って隣の山へ入ってしまった。いずれ戻ってくるだろうがそれまでは保留だ。
ここから先、若猟犬が皆の期待を一身に背負うこととなる!
ふもとの方では間断なく防災放送のようなものが大音量で流されていて、どうもこの調子だと獲物はあまり下の方へは行かないんじゃないかという気がする。僕の待ちは山の上の方にいる獲物が下へ下りる時にも、その逆にもよく使っている道。どういう状況でも信頼性の高い場所なので動かずに様子を見る。
ベテランの方は追い始めると長い時は二時間も三時間も帰ってこないという、まるで洋犬のような性質(本格的な洋犬の獣猟犬だとさらに、半日でも一日でも追うけど)。
若い方は深追いせず数十分ぐらいで勢子の元へ戻ってきて、匂いがあればまた出撃をくり返すという典型的な和犬の動き。
どちらもこれといって特別な訓練はしておらず、子犬の頃からたまに山へ入れているだけで、いつの頃からかこういう動きをするようになったという。これが遺伝子に刻まれた記憶というものだろうか。なんにしても頼もしい犬たちだ。
若犬は追い山のあちこちを勢子といっしょに歩き回り、ところどころで獲物を起こして追うも、昼前になってもどの待ちにもかからず。それでいてメシ時になっても頻繁に獲物を追うような動きを見せるので、切り上げるタイミングがなかなか難しい。腹は減ったけど、もうちょっと待ったら来るんじゃないか…
最後に、ベテラン犬が向こうの山へ行ってしまったために未探索になっているエリアまで連れていって、それで起こさなければ終わりにしよう。と意見が一致。
勢子がそのエリアに差しかかると、すぐに無線が!
「頻繁に高鼻で匂いを取ってます…あっ、起こした! シカ二頭、spinickerさん方面へ下ってます!」
キタ━━(゚∀゚)━━!!!
経験上、わかる。あそこで起きてこっちへ走ったら、まずどこかへ逸れることはない。現れる場所にある程度ずれはあっても、この待ちへはくるはずだ!
薬室にサボット弾が収まっていることを確かめ、セーフティを解除、挙銃。全身を耳にして待つ。枯れ葉一枚踏む音すら捕捉してみせる。
そして、網膜の隅に動くものがひっかかった。首を動かさず眼球だけで確認すると、報告通り、二頭のメスジカが目の前20mほどを横切ろうとしているところだった。SD-33のドットをシカの先の30㎝ほどの空間に照合しつつタイミングを見計らう。
と、シカのスピードは徐々に落ちてきた。駆け足から早足、早足から歩行に。…これは止まって後ろ確認、だな。
予測どおりその数秒後、シカは立ち止まり、来た方向を振り返る。追っ手がないか確認しているのだ。犬を気にするあまり、こっちにはまったく気づいていない。
斜めに走ってきたのでこちらとの距離はほぼ変わらず、20m前後。杉の木の陰に隠れていて見えているのは首から先だけだが、この状況なら余裕を持って狙える。これで外したらさすがに笑われるだろう。
バコーン!
他の待ちはそう遠くないところで張っているので、今の銃声は十分に聞こえたはず。今ごろは固唾を呑んで結果の報告を待っているところだろう。僕も他の待ちから銃声が聞こえてくるとワクワクしてしまう。
だから、報告する。
「メスジカ一頭、転がしました!(・∀・)」
このあたりのメスにしてはけっこうでかい。もう一頭の方はこれよりちょっと小さかったかな。弾は狙い通り首元を直撃、貫通している。
もう一頭はこいつを撃った時点で逃走してたけど、距離は30~40mだった。撃とうと思えば撃てないこともなかったけど、腹も減ったし、一頭でいいかな。
9時前に山へ入って、今はもう14時過ぎ。皆腹が減っているので、総出で素早く解体、搬出。
アジトへ戻る林道の凍結はこの時間になってもまったく解消されていなかった。山と谷にはさまれた狭い山道。こないだ似たような状況でコントロール不能になって危ない目にあったばっかりだ。しかも今度は下り。慎重に運転しないと。(; ・`д・´)
アジト到着。以前に獲れた獲物の肉入りみそ汁で腹を満たす。五臓六腑に染み渡る、うめぇ!(・∀・)
後はいつもの流れ。みんなで精肉、まったり談笑。今日の話題の中心は誰あろう、しとめた僕である。ここぞとばかりに自慢した!(・∀・)
しかし、しまったな。20m先で止まっていたのを撃ったと正直に言ってしまった…。もっと盛ればよかった。100m先を100キロで走ってたのをしとめたとか。orz
しかしこの若犬も落ち着きが出てきて、猟犬らしくなってきた。いい犬になってくれそうだ。これから先が楽しみである!
【本日の猟果(グループ)】
発砲 1(うちspinicker 1)
捕獲 シカ1(♀)(うちspinicker 1)
関連記事
-
狩りバカ日誌 2017年12月23日(空気銃・流し猟)
晴れのち曇り 10℃/-4℃ 今猟期、僕が回っている水場には、ちょっとした違和感を感じる部分が
-
狩りバカ日誌 2017年12月3日(散弾銃・忍び猟)
晴れ 12℃/-2℃ 今日ははじめての山に入る。以前に少しロケハンに来てみた時には真新
-
狩りバカ日誌 2017年12月2日(空気銃・流し猟)
晴れ 8℃/-2℃ 12月に入り、当地の猟場では氷点下の日も珍しくなくなってきた。今日
-
狩りバカ日誌 2017年12月17日(散弾銃・忍び猟)
曇り 4℃/-3℃ 猟期前のロケハン不足がたたり、今期の大物忍び猟は、猟期に入ってもな
-
狩りバカ日誌 2018年2月17日(散弾銃・忍び猟)
晴れ 7℃/0℃ 猟期中の新規開拓はあきらめ、既存の猟場をまわっている。 と
-
狩りバカ日誌 2018年2月4日(散弾銃・忍び猟)
曇り時々雪 3℃/-5℃ 当地はシシの少ない土地だというのはわかってはいた。近畿のどまんな
-
狩りバカ日誌 2018年1月20日(空気銃・流し猟)
晴れ 10℃/-2℃ 正月休みの出猟で高いところから飛び降りた際、背中を痛めてしまい、しばらく
-
狩りバカ日誌 2018年1月2日(散弾銃・忍び猟&巻き狩り)
晴れ 6℃/0℃ 今日はひさびさに巻き狩り参加。…の前に忍びで山に入る。 このあたり
-
狩りバカ日誌 2018年3月11日(散弾銃・流し猟&グループ猟)
晴れ 14℃/0℃ グループ猟最終日の今日。朝一番は林道流し猟からスタートする。
-
狩りバカ日誌 2018年1月1日(空気銃・流し猟)
晴れ 7℃/-2℃ ここ何年か、元日は出猟していることが多いように思う。元来、○○の日
Comment
ちょっと日が空いてますがすみません。
やりましたねぇ。みなの協力の下とはいえおめでとうございます。道中の路面状況は怖いですね。スパイクタイヤ欲しくなるような道に見えます。事故無く怪我無く、お疲れ様でした。
単独猟には単独猟の良さがあるし、巻き狩りには巻き狩りの良さがあって、なかなかどっちかに絞れません…。獲得できる経験値も分かれて、いつまでたってもどっちもうまくならず…。楽しいからいいんですけどね!(・∀・)
これからも事故なくやっていきます。( `・ω・´)ゞ