実例あり。新規追加がなくてもハンターマップは毎年熟読しましょう
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狩猟ヒヤリハット・事故
猟期に入って半月ほど経ちました。猟果はいかがでしょうか?(・∀・)
僕は現在の所はまずまずです。カモ二羽にシカ二頭。猟期が終わる頃に冷凍庫が満杯になってたらそれで十分。脂のよく乗ったシシの割合が多ければ言うことないですけどね!
さて、本来であれば猟期が始まる前に言っておきたかったことが本日の話題です。ハンターマップの規制図面について。
あれはもちろん新規に追加されたりもするわけですが、その場合は特に迷うことはないですね。去年までの銃禁地域の末尾番号に追加があるので、一目瞭然。
困るのが、既存のエリアに変更が加えられた場合。しかもそれがハンターマップだけでなく、狩猟者必携の詳細図を見てもぜんぜんわからない場合です。
銃禁の細かい変更 実例その1
こちらは僕が登録している奈良県のハンターマップ。奈良以外にもどこか登録してる年もありますけどね。
上が今年、30年度のもの。下が一昨年、28年度のもの。
とあるエリアの銃禁地域(青の色分け)を例にとって見てみます。
比較しやすいように、問題の二つのエリアを並べてみました。左が28年、右が30年。
よく見ると銃禁地域の増減があるんですが、おわかりでしょうか?
さらに該当地域を色分けしてみました。おもにこのあたりに増減が見られます。
赤い線の入ったところの銃禁は東海自然歩道というまた別の銃禁。そことは関係なく、右には左になかったところが、左には右にはなかったところが青に彩られています。蛍光イエローとピンクでハイライトしている地点がそれ。
しかもこれ、特に事前の通知もアナウンスも何もなしでのことです。
ハンターマップが届いて自分が通っている猟場をざっと見たぐらいでは気づかないかもしれません。習慣や先入観があると特に。
図面的にはそれほど大きくないんだけど、意味合い的には非常に大きな変更点。よくよく考えるとおそろしい。
せめて狩猟者必携の文言の方でしっかり書いていてくれればいいんだけど、それもなしです。
このあたりは30年度必携でいうところの48ページ、大和平野特定猟具使用禁止区域(銃)(東側中部)に当たるんだけど、文章ではこうなっています。
大和高田市、大和郡山市、橿原市、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町及び河合町の全域並びに奈良市、天理市、桜井市、御所市、生駒市、香芝市、葛城市、平群町、三郷町、斑鳩町及び高取町の一部の地域
なるほどなるほど。一部の地域ね。はっはっは。わかるか。ふわっとしすぎやろ。(#`Д´)
必携でも判別できないとなれば、取るべき手は二つ。
一つは役所の担当部署に問い合わせること。奈良県であれば必携の裏表紙に「奈良県農林部農業水産振興課 作成」と書いてあります。ここへ尋ねる、と。
しかしこれは個人的には非推奨です。確かに問い合わせれば担当者が答えてはくれるでしょうが、間違ってないとも限らない。それを頼りに発砲して捕まったとしても担当者は責任など取ってくれないでしょう。
(実は銃禁自体には変更はなくて、地図を作る担当者が変わったがために解釈も変わって、その結果ハンターマップにも若干の相違が出た。という可能性もあるんじゃないかと思っています。)
二つめ、おすすめはこちら。きわどいところでは銃猟をしない。
間違いがないのはこっちです。君子危うきに近寄らず。ハンター銃禁っぽいところに近寄らず。いやまぁ、近寄るぐらいならいいんですけどね。撃たなければ。
銃禁の細かい変更 実例その2
一方でこんなふうにしっかり図示してくれることもあります。左が古いもの、右が新しいもの。
古い方の広い銃禁エリアの中から、青のところ(これは僕が塗ったものです)だけが引き続き銃禁、それ以外の上と右下の方は銃禁が解除され、その旨が別紙としてハンターマップといっしょに手渡されました。
こういった場合は銃禁が減るのでハンター目線でいうと助かるわけですが、先のとおりアナウンスなしに増えるようなこともあるので注意が必要です。
長くやっていればいるほど、ハンターマップを熟読することが少なくなって、特に通っている猟場であれば過去の記憶と経験を頼りに山を歩くことにもなりがち。
でも、思い込みが身を滅ぼすことにもなりかねません。やはり年に一度、猟期前にハンターマップが届いたら、初心に戻る意味でも再度の確認はしておきましょう。(・∀・)
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