安全確認→発砲、の前に挟んでもらいたい工程はこちら。
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狩猟ヒヤリハット・事故

北海道でまた狩猟事故が発生した模様。今度はどうやら流れ弾が原因であるとか。矢先の安全不確認です。(-_-)

獲物の確認。矢先の確認。足場の確認。脱砲の確認。日猟会報の裏表紙にはこのように書いてあります。
これらの注意事項を確認の上で引き金を引く。ということには僕も異論はありません。
が、僕はここへもう一つ、確認事項を追加したいと思います。
それは周囲の確認。特に里山での空気銃猟では、引き金を引く前に「耳を澄まして周囲の音を拾う」という工程を経ることで、ピンチを遠ざけたり、また逆にチャンスを引き寄せたりできます。
僕の場合、過去にはこんなことがありました。
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発砲前の採音でチャンスゲット

ヒヨの待ち撃ちで柿の木の下で張り込んでいた時のこと。
ヒヨは飛来する際に必ず鳴きながら飛んでくるので、ヒヨ待ち撃ちは自然と聴覚にも意識が向く猟でもあります。
柿の木の下で耳を澄ましていると…
/
ケッケー
\
…ん? 今何か妙な音が聞こえたような…?
耳のパラボラを上方からそっちの方向へ向けてしばらく待つと、
/
ケッケー
\
先ほどよりはやや大きい音。キジの鳴き声に似てるような…?
ゆーっくり振り返ると、眼下に並ぶ田んぼの土手を今まさにキジが歩いているところでした! ( ゚Д゚)
すぐに柿の下から移動、死角から回り込んで無事にキジ射獲。聴覚をおろそかにしなかったことで、大きなキジをクーラーに入れることができました。
発砲前の採音でピンチ回避

空気銃でカモを撃つ場合、林の中、藪の中、用水路の中。僕の場合、この三つがよく潜む場所になります。獲物からも人からも見つかりにくい待機場所です。
じっくり狙えるので、周囲の様子に気を配る余裕も生まれていいことづくめ。

その時は、土手の上にある三方を林に囲まれた池のカルガモを狙っていました。姿を見られないように下の林へ入り、こっそりと忍び寄ることに成功しました。さて、あとはしとめるだけ。
が、引き金を絞ろうとしたところで、僕の耳は近づいてくる異音を捉えました。

それは足音。土手の上は草が踏みしだかれていて、日常的に人の往来があることを示しています。地元の人たちの散歩コースになっているのでした。
射撃は中止、そのまま息を潜めて様子をうかがっていると、やがて小さな犬を連れた中年の女性が通りがかりました。しかも池に浮かぶカモの方を見ながら歩いています。
危ない危ない、もし接近に気づかず撃っていたら、もしかするとカモを射貫く瞬間を見られていたかもしれない。そうなったらどれほど面倒なことになっていたやら…。
そのままやり過ごして再度狙いをつけようかと思ったのも束の間。彼女の犬がおどかしたことでカモは空高く飛び去り、女性と犬も通りすぎ、後には林の中でうなだれる僕だけが残りました。orz
獲物が獲れないのは残念だったけど…厄介ごとを避けられたのでよしとして次の池へと向かいました。何よりも避けるべきはボウズではなくトラブルです。
実は、射撃の直前に足音が聞こえたのでそのまま待機して散歩の人をやり過ごした。というのは複数回経験しています。かといってそう多くもないですが、7年目の今期までに三回ほどありました。
幸運も重なってこれまでのところは大過なく終猟日を迎えられてますけど(骨折はありましたが…)、不運を呼び込まないためにも、特に空気銃猟の場合は、余裕があれば引く前に周囲の状況を聴取するというのは有効な手段であると言えるでしょう。
もうすぐ今年も終わります。来年もその先もトラブルなくハンターを続けていくために、なんぞの折りに思い出してみてください。それではよいお年を。m(_ _)m
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