鹿の竜田揚げを作ってみた。
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最終更新日:2018/06/26
ジビエ料理レシピ・鹿
僕の住んでいる地域、猟のスタイルだと、現状ではシシよりシカ肉の方が多く手に入ることになります。大量に消費する方策を発見するために、鹿レシピの開発を急ピッチで進めることにします。竜田揚げなんかどうよ!
鹿の竜田揚げ 材料(5~6人前)
- 鹿肉 500g
- 片栗粉 適量
- 揚げ油 適量(多めに)
- ☆酒 1カップ
- ☆しょうゆ 1/2カップ
- ☆みりん 大さじ3
- ☆しょうが(すりおろし) 1かけ
鹿の竜田揚げ 作り方
今回の鹿肉は今年の2月7日にお医者の先生がしとめた個体の背ロース!
背ロースは鹿肉のなかでもとてもやわらかい部位。ジビエにおいてこの「やわらかい」というのはなかなか得難いステータスです。ジビエはたいてい硬いですからね・・・ (´・ω・`)
ちなみにこの細長い肉塊が背ロース。
動物の筋肉はいくつかのブロックの集まりで構成されていて、市販肉(鶏もも以外)ではたいてい取り除かれているようですが、各ブロックは薄い膜(筋膜?)で覆われています。
無視できるほどの場所もあれば、この背ロースのように白っぽく見える、ちょっと厚めの膜で覆われているところも。膜というか、薄いけどこれでも腱なのかな?
手でびりびりーっとはがしてもいいのですが、それがしにくい場合、僕はこのように膜をつかんでぎゅーっとひっぱりながら肉をそぎ切りにしていきます。
釣ってきた魚を三枚におろして刺身にしたことのある人ならわかると思いますが、あれと同じ要領です。
混ぜ合わせておいた☆の下味用調味料に一口大に切り分けた肉を漬けて一晩おきます。背ロース一本でかなりの量!
翌日。たっぷり下味のついた肉を引き上げて調理再開。キッチンペーパーで水分をふき取ったら片栗粉をまぶしていきます。
ここで、肉の表面をよく見ると・・・。おわかりいただけただろうか。
ゾ ン ビ 色 になっています!
でもこれって本来なら当然のことなんですよね。保存料も着色料も防腐剤も一切使ってないわけですから。さっきゾンビ色としましたが、これは鹿の死肉だと考えれば表現としては当たらずとも遠からず。
精肉してから2日3日とたつと切断面はたいていあんなくすんだ色になります。でも決して腐ってるわけじゃない。自前ジビエは市販の畜産肉とは似て非なる物。今はもう慣れましたけど、最初はとまどったものです。
存分に講釈をたれて気が済んだので、いよいよ揚げていきます。
実は僕は竜田揚げ童貞でして、揚げ油をいつも揚げ物を作る時のように少なめで調理したのですが、これが失敗のもとに!
出来上がり・・・。ボロボロです。orz
竜田揚げって、衣はただ片栗粉を薄くまぶしただけでつなぎも何もつけないんで、めっちゃはがれやすいんですよねぇ。
それが頭になくて、いつものように油を少なめにして揚げながらひっくり返して火を通していきゃいいや、という形でやってたんですが。。。ひっくり返すたびに衣がボロボロはがれて、見るも無惨な竜田揚げに!
竜田揚げのような衣の薄い揚げ物を作る際には、油の深さを十分にとって、一度材料を投下したら揚げ上がりまでは極力さわらないようにするべし。ということを学びました。今回はちょっと油温も低かったかな。(´・ω・`)
とにもかくにも完成したので試食してみます。
鹿の竜田揚げ 食後の感想
ちくしょう、うまい。
一晩漬けた下味のしょうががよく利いてる。鹿肉としょうがって相性いいな。背ロースもやわらかいし、油で揚げたおかげであっさりしすぎてる鹿肉の欠点も補われてる。
それだけにこのボロっちい見た目が残念で仕方ない。食えばいっしょといってもこのボロさはあんまりだ。orz
いかに僕が食いしん坊でもさすがにこの量を一度に完食はできないので半分はおいといたのですが、後日レンチンして食べてみると・・・揚げ物の宿命でべたっとなってました。
これを回避するためにレンジではなくオーブンで再加熱してからっと感を復活させる手もなくはないけど・・・。過去にはしたたり落ちた油から出火していたことがあるので諸刃の剣。監視が必要です。
今後は ①油多めでしっかり揚げて型崩れさせない ②揚げたてを食べきれる量だけ作る を意識していこうと思います。味はいいし、揚げ物にしてはシンプルだから食べきれるぐらいの量を都度作ってもそれほど手間じゃないし。
今回の失敗を活かして、今後もちょくちょく食卓に登場させる予定です。
※後日、電気フライヤーを買ってきて再挑戦、とてもうまくできました!(・∀・)
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Comment
美味しそうですね。今期こそは、美味しく鹿を頂く予定にしていますので、参考になります。
大きな鹿でも、背ロースは少ししか取れなかったように思います。モモや、アバラなんかは、どうされているのか気になります。
師匠は、犬にあげると言って、持ち帰られましたが。
本日、やっと許可を頂き、銃を手にする事が出来ました。早速撃って来たのですが、なかなか当たらないものですね。
僕のところでは背身とモモは誰かが持ち帰ります。それ以外、ウデは煮込み用に誰かが持って帰るか猟犬のエサ。モツも誰かが持って帰ったり、そうでなければ猟犬行き。という感じです。
とうとう届きましたか、おめでとうございます! これから練習練習ですね。射撃は通い詰めるとお金がいくらあっても足らないので僕はあまり行けていませんが。。。orz
やっぱりそうですか。多分、ほとんどが犬の餌なんでしょう。師匠は全部持ち帰って、色々な人と分けた様でした。射撃場で会った初対面の人から、レバー最高やったとお礼を言われました。生で食べたみたいでした。僕は、レバーが嫌いです。
銃の件、ありがとうございます。射撃は1回行くと1諭吉以上かかりますよね。ただ、当たった時の感覚は最高ですね。
とりあえず、狩猟用途をもらうために、いろいろ切り詰めて9月までに800発ぐらい撃つ事にします。財政が辛いです。
装薬銃のランニングコストはどれだけ射撃に行くかで大きく変わりますね。クレーが粉々に砕け散る瞬間は確かに気持ちいいけど、僕は年に片手で足りるぐらいしか行けません。(´・ω・`)
ジビエの生食はやめとくべきですけどね・・・。肝炎とか寄生虫とか・・・
赤身の場合、塩を振ってペーパーで包んで脱水しておくと赤い色が長持ちします。
海外の鹿節ではありませんが燻製などにはされないのでしょうか?
ガワはけっこう赤いままだけど、ナイフを入れてそのままだとそこはすぐゾンビ色になりますよねー。一度やってみます。(・∀・)
・・・そういえば鹿はまだ一度も燻製にしてなかった、我ながら意外。近々トライ予定!
うおお~
うまそう。
まだ免許持ってないけどほしいな~
・・・・・・とか思いつつこのブログで満足している俺がいる。
しばらく熟考してみて、それでもまだ狩猟に気が惹かれるなら、一度狩猟免許を取得してみることをおすすめします。狩猟免許を取れば猟友会とのツテができるし、ツテができれば近場で現役猟師と話する機会も持てるし。
おもしろくなければやめるのはいつでもやめれます、でもやってみないとこればっかりはわからない!(・∀・)
うぉお!またもや、涎の洪水被害が!!
プアーズキッチンのレシピ本が出版できるのでは?もう、妄想全開です。11月が待ち遠しい!
ところで背ロースって、背骨の上(外)側ですか?内蔵側ですか?ユーチューブで探しても、よく分からなくて。よろしくお願いします!
僕自身はもうジビエの風味に慣れてるし、そもそも肉好きなんでうまいうまいと言って食べてますが、やっぱり万人向けかと言われればどうかな、と思うところもあります。肉の味だけでいえば市販肉のがよっぽど上ですし。。。
どう言えばいいかな、背中側か腹腔側かというと背中側ですね。背骨を両側からはさむようについています。皮を剥いだら肩口から背中を通って腰のあたりまで伸びる細長い筋肉がすぐ見えます、それが背ロースです!
背ロース(背骨の上の人間には少ない部分)は鹿でも取っておきたいですネ。内側(赤身)下にしてペットシートにくるんで冷蔵一週間熟成すれば尚更美味いらしいです。当地では鹿肉を食する習慣が無いので師匠に内緒で来期はやってみましょう。
日本人はたいてい脂身好きなので鹿肉は好まれないけど、筋肉の質ということでいえば決して悪くないんですけどねぇ。背ロースならジビエにありがちな肉の硬さもないし。
シシがたくさん獲れるところではやはり鹿は人気ないみたいですね。でもたま~~~に、シシより鹿が好き! って人もいるので、一度試してみてください!(・∀・)
煙が出ますので周りの環境もあって中々作るタイミングがつかみにくかったり(笑)
仕事でですが僕はこうゆうの3つ位作っておいて一気にやっちゃいます
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スーパーで貰った箱に100均で買った菜箸を挿して、そこに網(100均)を渡したり、
肉を糸で吊るしたりと結構重宝します。
変色の原因は主にミオグロビンと肉内にある自由水なのですが
これを脱水するだけで大分違ってきます。
上手くいくとこんな感じでジューシーな干し肉が!!(ハムともいう)
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「ミオグロビン」「自由水」というのは始めて聞く単語。ひょっとして食べ物関係のお仕事でしょうか? 参考になります。ハムもめっちゃうまそう。見た目きれいですね!(・∀・)