狩猟とは切っても切れないツール。僕の猟用ナイフ一式を紹介します。
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最終更新日:2017/02/23
猟具・猟装
ハンターの間でも、あれがいい、いやあそこの方がいい、と常に話題になるのがナイフの話。やっぱりハンターというか男はこういうのが好きなもんです。いくつになっても。(^∇^;)ゞ
僕もハンターをやっている以上必要な刃物はいちおう揃えてあります。上の画像の左から三本は大物猟用、それ以外が鳥猟用として携帯しているもの。となっています。
モノにそうこだわりはないです。人によっては和式で統一したり、会社単位でコレクションしたりしてますが、僕は「まともに使えたら十分」という考えでやっています。
まぁ、僕の場合は可処分所得に大きな制限があるので、あまり高価でないものを・・・と言いたいところですが、僕目線だと痛手レベルなお値段のナイフもあったりなかったり。
いいのを買うと5年10年、あるいはそれ以上使えるそうなので、まぁ間違いでもないのかもしれませんが。
大物猟用ナイフ
剣鉈
まずは一番でかい刃物、剣鉈から。山刀とか狩猟刀などとも呼ばれますね! これは9寸剣鉈なので刃渡りは27㎝、両刃です。
こやつは「僕の狩猟関連失敗談その1 大が小を兼ねなかった猟具」でもふれていますが、とにかくでかすぎて使いにくい。刃物というものは、腕のいい、長くやってるハンターほど小さいものを使っている傾向があるように思います。(x_x)
今、もし剣鉈を買う前に戻れるのなら、今度は6寸か7寸でもっと刺突に適したものを選びます。基本、これはシシやシカの血抜き用なので、切ることはあまり重要視していません。藪こぎをする機会がある勢子さんなんかはまた別かもしれませんけど。
あと、これはデフォルトで黒皮巻きの木鞘がついてきましたが、木の鞘は見た目はいいけど歩くとカタカタ音が鳴るのでこれも忍び猟にはよろしくない。皮のシースがあればいいですね。
骨スキ包丁
解体用の刃物、というか解体の方法そのものが地域によってけっこう違うようなので全国どこでも、というわけではないかもしれませんが、僕が参加させてもらっている猟隊ではほとんどの人が骨スキと皮剥ぎ、二種類の包丁を持っています。
で、僕もマネして買ったのがこれ。銘柄はそれほど高くなくて知名度もそれなりだった「藤次郎」を選びました。それでも4000円ちょっとしたんですけどね・・・。(-_-)
これがまた頑丈でよく切れます! 片刃なのでまっすぐに切るのは慣れるまでちょっとコツがいりますが、とにかくよく切れてくれる!
使い勝手がいいので、解体時だけでなく、熱湯消毒をして料理時にもたまに使ってます。ブロック肉なんかは軽く凍らせたりしないと思い通りに切りにくいものですが、これならぐにゃぐにゃの状態でもスカスカ気持ちよく切れます。
4000円強のこいつでもこれだけ切れるということは、もっと高い1万円を超えるようなものはもっと切れるのかな。猟隊には「南常(なんつね)」の骨スキを使ってる人が多いけど、いくらぐらいするんだろう。値段のってなかったからなぁ。(; ・`д・´)…ゴクリ
皮剥ぎ包丁
これはイノシシの皮を剥ぐのに使う包丁。こいつで脂を皮からこそげるようにして身の方に多く脂を残すようにして皮を剥いでいくのです。皮剥ぎにはずんぐりした出刃包丁みたいな形のものもありますね。
僕のはこれも藤次郎ですが、
こういうのも売ってますね。ゾリンゲン。有名どころですね、切れそうだなぁ。
余談ですが、もしかすると皮剥ぎという刃物には、何かこう、指を切りやすいなんらかの要因があるかもしれません。
僕はあまり刃物でケガをすることはないのですが、指を切ってしまうのはほとんどと言っていいほど、この「皮剥ぎ」を使っている時なのです。なんでだろうなぁ。形状に原因があるのだろうか。(´・ω・`)
鳥猟用刃物
メス刃カッター
カモの腹抜き時に必ず使うのがこれ。
僕はカモやキジを仕留めたら腸だけでなく内臓すべてをその場で抜いてしまうのですが、その際に総排泄口のすぐ上(胸方面)をごく薄く、腹腔へ届くように、かつ内臓は傷つけないように切る形にしています。で、そこから手を突っ込んで腸の総排泄口とつながっているところをぎゅっとつまんで内容物が出ないようにしてから内臓を引きずり出す、と。
そういう細かい作業をするにあたってこのメス刃カッターが都合がいいのです。薄くすーっと切れる、微調整がきく。さすがメス刃、さすが貝印。
ただ、メス刃とはいってもカッターナイフであって解体用ではないので、解体で使う前には防錆用の機械油は脱脂しておいた方が無難です。
剪定ばさみ
スラッグ弾であれば多少の藪なんかはへし折りながらもまっすぐ飛んでくれますが、非力な空気銃のペレットなんかはひとすじの枝で簡単にはじかれてしまいます。精密射撃が必要な空気銃のカモ撃ちには都合が悪い。orz
そんな時に活躍するのが剪定ばさみ。射線をふさいでしまうような邪魔な枝をあらかじめ切断するのに使います。
カモ撃ちはもう何年かやってるのでまわる池、撃つ場所なんかもだいたい決まってます。そういった場所の邪魔な枝は、射線は確保しつつこっちの姿は隠れるような具合に剪定ばさみで除去します。これがあるとないとでは大違い!
ブローニング コンビナイフ
折りたたみとスキナーの二本のナイフがセットになったもの。翼や頭など、硬い骨やスジがある場所を切断するような時に使っています。剪定ばさみだとスジは切りにくいし、メス刃カッターはよく切れる分刃が薄いので、硬いものを切るのは適していないし。(´・ω・`)
どこで買ったかは忘れましたが、安かった(セットで2500円ぐらいだったかな)のでいろいろと雑に使い倒しています。安かっただけあって刃の材質はヤワですぐなまくらになりますが、その分研ぐのも簡単で案外使えるヤツです。
てゆーか、ちょっと調べたらこれだ。ずいぶん値上がりしたな。評価もなんか高いし。いい買い物だったような気がしてきた! (・∀・)
レミントン マルチツール ウイングマスター
今となってはほとんど出番のない狩猟用マルチナイフ。というかはさみ。はさみとしてはたまに使ってるかな。
でも付属のナイフとのこぎりは笑うぐらい切れないし(自分で研げってことか)、腸抜きフックがついてるけど最近はもう手でやってるし、チョークレンチもあるけど散弾銃で鳥撃ちはやらないし・・・と、自分の用途に合わなくなったツールです。
このあたりの使い方が合致するのであれば買ってもいいかと。
銃もナイフもその他ツールも、ハンターとしてのキャリアが進むにつれていろいろと変遷するもの。現状ではこういったものを使っていますが、これとてもいずれは入れ替わっていくんだろうと思います。
またいいナイフがあればブログで紹介していきたいと思います。逆におすすめがあれば教えてください! (・∀・)
あと、個人的には研ぎがうまくなりたいなぁ。(´・з・)
※2017年2月23日追記 モーラナイフ・コンパニオン(Mora knife Companion)追加しました!
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Comment
こんばんは。ちょうど、ナイフを買おうと思っていたところで、大変参考になりました。
トヨクニのホームページを見ていたのですが、いい値段がするし、技術が高いと前面に押し出し過ぎている所が、気になり、躊躇していました。
長く使うものなので、実際に手にとって買えるところで、購入する事に決めました。
実際に手にとって見れるところで買うのがいいかもしれませんね。(・∀・)
初めて持つナイフは安くて使い倒せるようなものでいいんじゃないかと思います。
高いのは長く使えるといいますが、どういったものが自分の用途に合ってるかとか、研ぎ方なんかは最初はなかなかわからないことでもありますし。それが把握できてから高級品を買っても遅くないかと。
当方は…言わずとも解る通り(笑)八寸ナガサ一本で止め刺しから解体まで全部やってます。椎骨の切断から皮剥ぎまで。(^_^)
先週の鹿40Kgも一人で解体して一時間半ほどで終了しました。斜面でやったせいか腸を切っ先で傷つける大失態をやらかしましたが…(ToT)
銃を使えない場合の槍止め刺しやマタギの精神性に憧れる方、バイク等で荷物を積めず一本の刃物に多様性を求める方には一考される価値はあるかと思います。(^_^)
マタギナガサって名前からしてかっこいいですよね。見た目もごっつくていかにも漢の道具って感じ。何をしても折れなさそう!(゚∀゚)
僕のようにでっかい刃物ををこれみよがしに腰から吊してるくせにちっとも使いこなせないのはカッコ悪いですが、キッチリ使いこなせたらこれほどかっこいいものもないっすね!
師匠伝来のオルファカッターナイフで全てやります。それも特大でない普通のです。本体¥300、替刃50枚¥1100です。80kシシまでなら刃が1枚で完了です。それ以上は2枚目に変えるか刃を3段折ります。ただ背ロースは骨に肉が多く残るので師匠が見てない時は自作のナイフでスナップを効かしながらやってます。血抜きは30cmの包丁か自作槍ですね。ナイフの世界に入ると砥石とシースにも行ってしまうので、踏み留まってます。
カッターナイフでそこそこ大型のシシを解体してる現場を見たら目が点になる自信がありますwww 何が起こってるのか理解するのに5秒ぐらいかかりそう。( ̄∇ ̄;)
ナイフ沼も深そうですよねぇ。僕もお金さえあれば存分にはまって楽しみたいけど、なかなかそうもいきません。(´;ω;`)
すばらしいコレクションですね。
私は若い頃(今でも若いですが)サバイバルナイフが好きで、アイトールのジャングルキングの1,2,3を買い集めました。今では単なる飾りとなり、始末に困っていますが。。。
あとは和包丁ですね。東京の江東区にある有名店で3本作ってもらいました。
刃物は大事ですね!
僕としては今までは特別興味はなかったんですけど、ハンターをやるとなると必須の道具なのであれこれ調べているうちに興味が出てきました。やっぱりいいものを持ちたいですし! (・∀・)
有名店でオーダーメイド3本ですか、僕だと破産しそうです。。。orz
いつも楽しく読ませてもらっております。
自分も仕事で長年南常を使っていますが、サバキ・骨スキ(角及び丸共に)が、
15年前で2800円でした。
ちなみに筋引きは7000円程で、これも簡単にまな板へ食い込むほどよく切れます。
※研ぎすぎると逆に切れすぎてよくないです
鋼材としてはかなり軽くしっかりしていますので長時間の作業に適しており、
食肉業界では人気が高いですね。
もちろん今も世話になっているおすすめの逸品です。
が、
やはり硬い鋼材なので砥石によっては刃付けに手間取るかもしれませんね。
名前は忘れたのですが人工1000番の緑色のもの(3500円くらい)であれば普通に研げますのでこれもおすすめです。
ステンレス包丁も刀もガンガン研げます(笑)
ありがとうございます! (・∀・)
意外とお高くないんですね南常。いいものだとは聞いていたので高いのかなと思っていました。今使ってるのがダメになったら次は南常にしよう。藤次郎プロの骨スキは切れ味いいし研ぎやすいしでいい感じなんですが、皮剥ぎがイマイチ使いにくくて。(´・ω・`)
砥石も大事だということは最近思い始めました。用途に合ってない砥石だといつまでたってもうまく研げなかったりしますね。人工1000番の緑色のものをちょっとチェックしてみます。(`・ω・´)
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こんにちは、イノシシ、シカがよく罠にかかるので、解体をしたいのですが、教えてください、最低限の道具を揃えたいので、 あまり道具が増えると管理できるか自信がないので、 よろしくお願いします。
はじめまして!(・∀・)
僕のスタイルは単独忍び猟がメインでして、山中で解体することになるので、
https://www.boy-meets-meats.com/contents/blog/post-12932/
の記事で登場する道具のうち、解体で使うのはゴミ袋(肉を入れる、肉が汚れないように木の周りを覆う)、獲物吊り下げ用ホイスト&ハンガー、モーラナイフ、(イノシシの場合であれば)皮剥ぎナイフぐらいです。
罠であれば架設場所などでまた変わってくるでしょうが、そのへんは試行錯誤して自分のスタイルを確立していってください。それもまた楽しいですよ!
やはり、吊り下げて解体ですね。私も罠だけでイノシシ、シカ等を。あとは慣れですか、何回もチャレンジ、うまい肉を求め! 田舎の人意外と食べ方わからず、土の中に埋め込んでいます。もったいない、感謝して食べないと!
単独の場合はその場で解体せざるをえないことが多いけど、以前修業していたシシ猟隊では人数が多かったのでみんなで引き出して山小屋まで持ち帰って台の上で解体してました。その方が手が多いし協力できるしできれいに仕上がります。罠猟であれば架設する場所を選べるので、道路に近い所であれば持ち帰って解体するのも検討されるとよいですよ!(・∀・)