狩りバカ日誌 2018年2月4日(散弾銃・忍び猟)
公開日:
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狩りバカ日誌2017
曇り時々雪 3℃/-5℃
当地はシシの少ない土地だというのはわかってはいた。近畿のどまんなかの、なんといっても鹿の聖地のような場所。でも実際のところ、この2年ぐらいはなんとなくシカの数も少なくなっているんじゃないか。という気がしなくもない。
870を取得した年には「いつ途切れるねんこれ」というぐらい、少なく見積もっても20頭ほどの大所帯なシカの群れが横切るのを見かけ、それ以外でも10頭を超えるぐらいの群れには何度か遭遇してもいた。
しかし去年も今年も、7頭以上の群れには一度もお目にかかっていない。6頭が最高だ。分布もまばらになっているような気がする。
駆除が盛んになったというわけでもなく、シカの忌避植物以外の下草が丸坊主な状況は変わらず。ということは、ひょっとしたら、頭数の飽和から、減少に転じているのかもしれない。
などということに思いを巡らせながら、今日もまたシシの影を求めて新規の山へ入る。天気予報では曇りということだったものの、空からは時折白いものが。
想定の駐車位置は10㎝ほど積もっている。それも新雪ではなく、一度表面が溶けてまた固まったような、氷のような固い雪だ。
しまったな。この地域の天気予報は何日か前からずっと曇りだったから、ここまでの残雪は想定していなかった。アイゼンを持ってきていない。
MERRELL(メレル)のモアブはいい靴ではある。実際、過去に積雪の猟場をアイゼンなしで歩いても大丈夫だった。けど、だからといって、今回も大丈夫とは限らない。山奥の単独猟で滑落・骨折などあれば文字通り命取りだ。ちょっと様子を見てみよう。
足場のいい作業道を選んで進み、猟場の状況を確かめる。やはりどこも硬めの雪で覆われている。これは…アイゼンなしではやめておいた方がいいか。ここが唯一無二ではない。移動して別の山を探ろう。
数分前に通った道を引き返している最中。自分の足跡があるのは当然だが、そのすぐ横にシカの足跡! ざけんな、さっきはこんなもんなかったぞ! Σ(゚д゚;)
後を追うかとも考えたけど、足跡はたっぷり雪の積もった急傾斜の杉林へ消えている。アイゼンのないこの状況では追うべきではないだろう。
タイミングがちょっと違えば、前方をとぼとぼと歩くシカを発見できていたかもしれなかったものを…。ほんのちょっとのすれ違い。悔しいが、楽しい。楽しいけど…悔しい。orz
もっと標高の低い、別の新規開拓候補地まで下りてきた。ここなら格段に雪は少ない。が、気温の低さはさほど変わらず。沢のしぶきがかかる岩肌は凍りついている。
道中の路上温度計は-5℃だったということは、山中のここではさらに2℃から3℃ほど低いだろうから…-8℃とか、そんなもんか。
使い捨てカイロの13倍の発熱量という強力なハクキンカイロを装備してるからまだ大丈夫なようなものだが、これがなければどうなっていただろうか。今はもうこのカイロなしでの大物猟は考えられない。ポケットに入れておく用にもう一個買おうかと思っているぐらいだ。
ここまで獲物との遭遇なし! 一度、遠くで逃げていく足音を聞いただけで姿は見えなかった。どうも集中力が切れてきたようだ。
こんな時にはメシだメシ! 今日の山ラーメンは日清のシンガポール風ラクサ! ココナッツミルクとアジアンフードが大好きな僕にはたまらない逸品。最近ではヘビロテとなっているカップ麺である。
ほっこり(至福)。
水の流れる音と炎を眺めることにはリラクゼーション効果があるとかないとか聞いたことがある。沢の横で火をおこしてすするラーメン休憩は、その両方に加え、あったかい食料と眼前の雄大な景色まで楽しめる。獲物が獲れなくても忍び猟を楽しめるのは、これがあるからだと言える。ふぅ。うまい。( *´∀`)
ラーメンを食い終えた僕の前に現実が立ちはだかる。この切り立った崖を登っていかないとならないのだ。画像ではうまく伝わらないのが残念なほどの傾斜。(´・ω・`)
さらにその先に現れたのが、足を置ける場所が靴の幅ひとつ分少々(赤ライン)という断崖。落ちたら…ただちに死ぬことはなくても骨折は免れない高さ。これも立派な獣道。シカはここを通っている。他にはここより楽に先へ進めそうなルートはなさそう。
岩棚にはおあつらえ向きに頑丈そうな杉の根が6本ほど垂れ下がっているので、それをつかめば人間の僕もそう危険なく通れるのは通れる。
でもこれは、本来なら猟期前に銃なしの両手フリーな状態で下見に来て確認しとくべき内容だ。最近は丸腰で森に入るのがなんとなく不安になって猟期前の下見に行けてなかったが、銃なしで猪と出くわすことより、銃ありでこういう場所を通ることになるケースの方が、現実的に考えるとよほどリスクは高いはずだ。ちょっと考えを改めなければならない。(´・ω・`)
予定していたルートをぐるっとロケハンし、これといってめぼしい収獲もなく、車へ戻ろうかと獣道を上り始める。
と、何気なく見下ろした小さな谷の斜面にある灌木が目に入った。目に入るはずだ。風もないのにその一角だけ不自然に揺れているのだから。…出てくるだろう。
静かに薬室に弾を放り込み、膝射の構えでその時を待つ。
思っていたより長い時間が経過してから、これも思っていたより少し離れた場所に、思っていたより早足で、まず一頭が現れた。中ぐらいのメスジカ。少し意表を突かれたので狙いをつけるのが遅れる。
と、その後を追うようにもう一頭メスジカ、さらに一頭が続く。メス三頭の群れ。対面の谷の斜面を向かって右へトラバースしていく。
先頭の一頭が立ち止まり、足元を気にしている。足場が悪いようだ。後ろ二頭も立ち止まらざるをえない。そして最後の一頭は体全体がまる見えだ! 40~50mの間ぐらいか、いけるだろ!
ドーン!
被弾したシカはもんどりうって谷底へ転げ落ちていく。肩口~首の間らへんを狙ったが、だいたい狙い通りの場所に当たったようだ。そして水音。沢に落ちたか。
前の二頭はというと、なぜか20mほど走ったところで立ち止まってこっちを見ているではないか。おい、そこはまだ射程内だぞ。
撃ってもいいけど…二頭も解体してられんな。冷凍庫も満杯が近い。猟期はあと1か月ある、ちょっとは余裕をもたせておきたい。スルーだ。
深くはないけど水が冷たく、引き上げに苦労したが、なんとかずぶ濡れの獲物を回収できた。地図によるとこの沢の下に集落はないので、沢水を引いてるということもないはず。ここで解体してしまおう。水があるのでやりやすい。
若いシカのようだ。でも当才にしては大きいから、たぶん2歳かな。食べ頃サイズである!(・∀・)
これでやっと今期二頭目。もっと獲りたいような気もするが、冷凍庫の容量を考えると難しいところ。
同じ満杯になるなら、自分で獲ったシシ肉で満杯にしたいなぁ。忍びで獲れるのはいつの日になるだろうか。(´・ω・`)
【本日の猟果(忍び猟)】
発砲 1
命中 1
捕獲 メスジカ1(45mぐらい膝射・肩口を貫通)
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