至上の達成感。狩猟における二番目の目標を1シーズン継続できた件
公開日:
:
狩猟よもやま話
次猟期が近づいてきて、居ても立ってもいられなくなったハンターはどういった行動を取るか。
人それぞれでしょうが、僕がすることのひとつに「先猟期の記録を見返す」というのがあります。先猟期を振り返りつつ、来期に向けてイメージを作り上げていくのです。
僕は几帳面な方ではないんですけど、登録証を返納する時に獲物の数と種類と取れた場所を報告する都合上、記録はいちおうつけてあります。狩りバカ日誌のこともあることですし。
こないだも記録・画像を見ながらニヤニヤしたり悔しがったり納得したりと一人で百面相をやっておりました。
ひととおり見終わってウィンドウを閉じようとして、ハッと気付きました。もう一度見直して確信。やっぱり! 1シーズンに一回もなかったやん!!! ヽ( ゚∀゚)ノ
第一目標は「トラブルなく家に帰る」。二番目は?
以前は猟期前に「今期は○○を獲る!」などと表明して、それを目標として猟に励んでいました。
が、これでは、たとえば猟期最終日の日没寸前などに目標対象の獲物をかなりきわどいシチュエーションなどで発見に至った場合などに、無理筋な選択を取ってしまったりするかもしれない。などと思い至り、そのへんは「目標」から外すようにしたという過去があります。
まぁ、もっときつい「ノルマ」という形でもなかったからそこまで気にしなくていいかもだけど、いちおう。(´・ω・`)
現在もいちおう目標は持っています。
第一は…と、その前に、目標以前にノルマというか、至極当然のこととして「無事故無違反」が挙げられます。まぁ当たり前っちゃ当たり前ですけど。この下位にあるのが目標です。
まず第一は「トラブルなく家に帰る」。
ケガであるとか、機材トラブルだとか、散歩の人に見とがめられて言い争いになるであるとか。違法ではなくとも面倒ごとにつながったり、もしかしたら以後面倒ごとでは済まないレベルの禍根の種として残りかねない事態から実を遠ざけること。これが最初の目標です。
次に、今回一猟期通して達成できた第二目標…の前に、第三目標を先に挙げます。「何か獲って帰ること」。
これはね、まぁ別にいいんですよ。クーラー空じゃなければいいなぁ、程度のものです。目標としても三番目、ラストのものなんで、超ふわっとしてます。目標というよりは「希望」といった程度。
振り返ってみると、第一目標は…達成できませんでした。
大事には至らなかったものの、すぐ脇が谷の凍結路でコントロールを失いハーフスピン。危うく凍てつく川へ転落するところでした。腰椎の圧迫骨折もやらかしています。
関連記事:狩猟ヒヤリハットその8 冬道の恐ろしさ。川底へ転落しそうになった話
関連記事:狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨
第三目標、これは大物の単独忍び猟なんかは獲れないことの方が多いですからね。もちろん未達成。さっき言ったようにwishぐらいのものなのでどっちゃでもいいです。
では、肝心の第二目標の発表。「半矢・回収不能を出さない」です。
昨期はただの一度も発生させませんでした! これは自分で自分をほめることができます!
確かに運もあるけど、退くべきところは猟欲を抑えてしっかり退くことができた。というのも達成の要因として少なからず影響している。と断言できます。この点に関しては、六年やってきて成長できてるなぁ、と素直に思えたところ。
昨期の空気銃猟最終日がそうでしたね。ペレットはあと一発残ってたけど、半矢にすると二の矢をかけることができないのでマガモのメスは見逃すことができました。
関連記事:狩りバカ日誌 2018年2月3日(空気銃・流し猟)
当たらないAR-6からレインストームに持ち替えた鳥猟二年目なんかは、ハッキリ言って「とりあえず仕留める、それから回収を考える」みたいなところがありました。
空気銃のカモ猟は、まず「回収できるかどうか」を水域の広さや深さ、障害物、風向き、手持ちの道具などから考えて、そこから撃つ撃たないを検討するべきです。
そういったことをしっかり意識できるようになってきたのは、僕の場合三年目あたりから。とりあえず撃ったはいいものの、多くの半矢・少なくない回収不能を出してしまった二年目の反省が土台となっています。
今から思えば、二年目までは子供みたいなものでした。空気銃という新しいオモチャに夢中になっていた子供。玩具がもたらす楽しさに飲み込まれ、ええ年こいてつけるべき見当もものすごく未熟でした。よく何事もなかったもんだ。orz
助からないであろう量の血痕を残して姿を消した獲物を見送る回数と比例して慎重さは増し、年々減ってはきたもののそれでもシーズンに一度は半矢・回収不能を出して下を向き、自分への腹立たしさからエブリイのバンパーを蹴飛ばした過去を乗り越えて、ハンター六年目にようやっと半矢・回収不ゼロのシーズンを作ることができました。めっちゃうれしい。過去の印象がでかかったんでゼロだってのに最近まで気付きませんでしたよ。
シカやシシの場合はまだ有害鳥獣指定されてたりするし、倒したら地元の人もよろこんでくれるしで、いちおう自分の中で大義名分みたいなものはあるんですよ。だからまだちょっと半矢にした時に胸に刺さるささくれも小さい。
けど個人的に、カモを半矢にするのはものすごくこたえます。撃っておいてなんだけど、死んでくれるなと願います。矛盾してますね。人間は矛盾の生き物です。(´・ω・`)
とにもかくにも、六年目にして達成したシーズンの半矢・回収不能ゼロ。狩猟やってるとつきものではありますが、これをできるだけ続けていきたい。出してしまったら、最小限にとどめたい。猟欲などの煩悩をコントロールしたい。
そのためにできることを常に考えながら、今期もフィールドに立ちたいと思っています。
え、狩猟をやめれば? 半矢はゼロ? やめませんけどね!(・∀・)
関連記事
-
鴨臭さの原因、埋没した筆毛を除去する方法
猟期も終盤に入ってくると、『筆毛』の目立つ鴨が多くなってきます。『棒毛』とも言いますね。
-
素晴らしい量と質。長野県・車山高原のペンションが綴るシカの生態
日本各地で増加、植生に大きな影響をあたえているニホンジカ。 僕の通っている猟場の奈
-
獲物の生態調査。クロスカブで奈良公園へシカの観察に行ってきた。
奈良公園でシカの観察をするのは装薬銃を所持したぐらいの時期から考えてました。猟場で獲物のシカを追う際
-
大物の銃猟には必須?「獲物がいた場所」を知っておく必要とその方法
銃猟は「撃って当てればそれでおしまい」というわけではありません。しとめたとしても、獲物を持っ
-
肉くえ肉!初心者(装薬銃)ハンターたる者「超ふくよか」のすすめ!
賛否両論ある呼称の「狩りガール」。その善し悪しは別として、実際にどうやら彼女らは着実に生息数
-
そろそろ山菜&山歩きシーズン。猟師とお役所推奨のダニ・害虫対策薬剤
暦は既に3月。今年ももうすでに1/6が経過しました。なんてこったい。orz 今年は
-
バックショット(大粒散弾)禁止?日本猟用資材工業会の見解はこちら
銃猟をやっている人であればこれまでにも耳にしていたであろう、バックショットの使用制限に関する
-
続・モニタの前でえび満月でも食べながらイノシシの居場所を探る方法
脱・単独猟におけるイノシシ童貞。 こいつを達成するために今期は今までとはちがう猟場を新
-
足元の枝の向きを見れば狩猟中の転倒・滑落防止に役立つ
「狩猟ヒヤリハット体験その2 単独猟、忍び猟で負傷」と「狩りバカ日誌 2015年1月12日(
-
獲りすぎ注意!狩猟において目指すべき数は○○ではなく□□である!
今年も2月15日が過ぎ、地域やターゲットによって多少のずれやなんかはありますが、ほとんどの都道府県で