素晴らしい量と質。長野県・車山高原のペンションが綴るシカの生態
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狩猟よもやま話
日本各地で増加、植生に大きな影響をあたえているニホンジカ。
僕の通っている猟場の奈良県某村でも被害は深刻だというのは「狩りバカ日誌 2016年2月21日(散弾銃・シカ巻き狩り)」でもちょっとふれていますが、長野県・車山高原の「レア・メモリー」というペンションのウェブサイトにシカの生態、および被害について素晴らしい情報がありました。
言い方はおかしいかもしれませんが、一介のペンション関係者がなんでここまで、というほどの情報量!
質も高いもので、たとえば「グラミノイドを好むシカがなぜススキを食べ残したりするのだろうか」と、猟期に入っても食べられることなく立ち枯れたススキなんかを見かけては考えていたのですが、
ナキリスゲはカヤツリグサ科の多年草で、生育範囲の広い種で、日本の本土では山地から海岸、森林内から乾燥した道端まで様々な環境で叢生しています。
(中略)
名前の由来は「菜切り菅」の意で、葉の縁に珪酸質のざらつきがあり、菜っ葉が切れるほどだといわれ、実際手にかかったまま、うっかり引くと以外に深く切れ、かなりの痛みをともないます。典型的な「物理防衛」です。同様なことはススキでもあり、シカは葉が硬くなる夏以降はあまり食べなくなります。
というくだりを見て納得しました。なるほど! (・∀・)
シカの食性については以前に「疑問解決!貧相な冬の針葉樹林でシカは何を食べているのか?」でも書いたとおり、地域でのちがいも少なくないようですが、内容は大いに参考になるもので、どの記事もじっくり読んでいるとあっというまに時間がたってしまいます。
しかもこのサイトにはシカだけでなく、「車山高原の花」「車山高原散策」「歴史散歩」などのページも同様に大量の情報が掲載されていて、勉強家であることがうかがえます。山が大好きな方なんでしょうね。
僕はハンターだとかなんだとか名乗っていながら、シカや山の知識量についてはベテラン猟師はもちろん、猟師ですらないこういった方にもまっだまだぜんぜん余裕で負けています。がんばらなあかんなー。( ̄∇ ̄;)
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昨日、1月1日に残滓を埋めた所に行くと、蹄以外、皮も含めて綺麗になくなっていたのですが、近くに、頭蓋骨と顎が綺麗な状態で残っていました。顎の形状と、歯の形にすごく興味がわきました。
ススキは、防草シートでも突き破って生えてきます。先端は、針のようで皮手袋でも突き破って痛かった記憶があります。刈っても刈っても生えてくるススキを食べてくれると助かるのですが。
先日、箱罠を仕掛けた所に、Android携帯を仕掛けてきたのですが、今朝、鹿が罠の前のヌカを食べている所を遠隔で見る事が出来ました。こちらから罠を遠隔で操作出来ればいいのですが。猟期も後15日。もう1頭ぐらい捕獲したいところです。
猟友会のHPで、OHAの募集が始まりましたね。少し封書で届いた内容と違うようです。
残滓の確認はしてしまいたくなるものですね! 僕の所属している猟隊の仲間が、しとめた獲物の残滓を埋めた場所に行ってみたことがあるのですが、その時は胃の内容物以外の一切の物が掘り返されてなくなっていたそうです。で、その付近には何らかの生き物の糞がどっさりと残されていたとか。
シシの糞は案外ころっとしてるので聞いた限りではクマのような気がしないでもないですが、紀伊半島のツキノワグマは絶滅寸前だっていうし・・・なんだろうな。ビッグフット!?
ススキはそこまでタフな植物なんですね。夏以降のものはシカの食害にも勝てるというのも納得の生い立ち。ススキにくらべるとヌカは栄養価も高いし口が切れたりもしないし、いい食料なんでしょう。ヌカに塩をまぜるという罠師もいました。山中の動物は必須ミネラルである塩分の確保に腐心しているようで、有効なんだそうです。
私の田舎では、今期ツキノワグマが箱罠で捕獲され大騒ぎになったそうです。ひょっとしたら、クマかもしれません。私の箱罠も何に壊されたかは不明です。鹿ではないと思いますが。
以前、おばあちゃんが生前漬けていたキュウリの漬物(何年経過してるか不明)を6樽ほど穴を掘って埋めたところ、それから鹿のたまり場になってしまいました。今年は、その近辺に獣道どころか普通に人が通れるほどの道が出来てしまいました。
ツキノワグマは中部以東では増えていると聞いていますが、それ以西ではかんばしくないとか。健全な生態系が戻ってくればいいんだけどなぁ。オオカミを再度放つ計画、個人的にはおもしろいと思うんだけど・・・実現はしないでしょうね。(-_-)
もしかすると、シカは漬け物の塩分に惹かれて集まってきたのかもしれませんね。おもしろい情報です!