ハンターも気になる豚コレラ。罹患・発症したイノシシの見分け方は?

公開日: : 最終更新日:2018/09/16 狩猟よもやま話

ハンターも気になる豚コレラ。罹患・発症したイノシシの見分け方は?

先日、岐阜県の養豚場において「豚コレラ」の感染が確認され、農水省のサイトにて周知されました。

平成30年9月9日岐阜県の養豚農場において、我が国では、平成4年以来26年ぶりとなる豚コレラの発生が確認されました。豚コレラは、豚やいのししが感染する病気であり、強い伝染力と高い致死率が特徴です。日本では家畜伝染病予防法で家畜伝染病に指定されています。(後略)

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/csf/より

豚コレラとは、読んで字のごとく、豚などが患うコレラの様な症状を呈する病。人間への影響は、

豚コレラに関する情報(消費者のみなさまへ)

  • 豚コレラは、豚、いのししの病気であり、人に感染することはありません。
  • 豚肉の摂取により、豚コレラが人に感染することは世界的に報告されていません。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/csf/shohisha.htmlより

とのことなので、まあフツーに街中で暮らしてる人にはほぼ影響なさそうな感じですね。『世界的に報告されていません。』って書き方がちょっと不気味っちゃ不気味ですけど。(´・ω・`)

しかし、我々ハンターは ”フツーに街中で暮らしてる人” とは言いがたい面があります。気になる人も多いはずです。

僕もやはり気にはなっています。シシの多くない地域ではあるけど生息自体は確実にあるし、岐阜ともそう距離はないことだし。当地の、いや日本のハンターでもまったく気にかけていない人はないでしょう。

なにしろ感染力の強い病気であるようなので、シシの姿を直接見ることは少なくとも、生息する山に立ち入るだけでも、病理学者などでない我々には思いもよらぬ影響があるやもしれません。

せめて、豚コレラに感染したシシはどう識別すればいいのかぐらいだけでも知識をつけておきましょう。

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豚コレラに感染したイノシシの症状

外見

以下で画像と文章を引用する国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構によると、

「豚コレラは死亡率が高いが、特徴的な臨床症状や病変を示さない。」

とあります。

高熱が出る→元気なくなってくる→熱によるけいれん等を発症→死ぬ

といったような一般的な病気らしい病気の症状はあるけれども、たとえば狂牛病の奇行のような特徴的なものはないようです。

なので、山で見かけても、撃つ前に外観から判別するのは難しそう。よっぽどヨロヨロしてるとかなら別だけど。

下痢も症状の一つらしいので、開けてみる前の判断材料にできるとすればそのへんかな? 肛門周りが妙に汚れてるとか、軟便をまき散らして倒れてるとかだと怪しいですね。

結膜炎の診断が下せる人であればそれも症状の一つだそうですが…よっぽど眼が赤くなってないと一般人には判別できませんね。でも一応眼を見ておきましょう。めっちゃ充血していたら注意!

内臓の様子

こっちはかなり分かりやすい症状が出るようです。こちらのページから画像を引用してみましょう。

ハンターも気になる豚コレラ。罹患・発症したイノシシの見分け方は?

まずはこちら。写真3が腸のあたり、写真4が膀胱の病変。内出血や充血が特徴のようです。

ただ、これぐらいの変化では素人ではややわかりにくいかも。(´・ω・`)

ハンターも気になる豚コレラ。罹患・発症したイノシシの見分け方は?

それに対してこっちはかなりわかりよいですね。写真5がリンパ節、写真6が腎臓の病変。

リンパ節というと、以前にこのブログでも取り上げました。あの時はシカのリンパ節でしたけどね。リンパ節に関してはシシもシカも似たような外見です。

関連記事:狩猟の質問「ジビエのブツブツ、病気?食べて大丈夫?」に答えます!

狩猟の質問「ジビエのブツブツ、病気?食べて大丈夫?」に答えます!

こちらきれいなリンパ節。これが内出血・充血して上の写真5みたいになるわけですね。こいつはわかりやすい。

一方、同じかそれ以上にわかりやすいのが腎臓。(1)も顕著だけど、(3)の方はさらにすごい。赤いモザイクみたいになっています。一目瞭然。 (; ゚Д゚)

ハンターも気になる豚コレラ。罹患・発症したイノシシの見分け方は?

最後が脾臓。辺縁部に赤黒い血の塊のようなものが確認できます。

しとめたシシを解体中にこういった変化が見られたら即保健所に連絡ですね。感染力が強いということなので、持参するのもよくないでしょう。可能であれば解体に関わっていない、触れていない人に頼んで電話などで届け出るのが一番。動かさないのがベストかと。

肉眼病変の出現頻度

こういった変化が見られる確率です。

めったに出現しないのであれば参考にしにくいものですが、

ハンターも気になる豚コレラ。罹患・発症したイノシシの見分け方は?

というふうに、高いものでは80%に迫る出現頻度。

赤線を引いたものが頻度が高い上に専門家でなくても視認もしやすいので、このあたりを複合的に見て参考にするのがよさそう。脳充血なんて、脳を傷つけないように頭蓋骨を割らないと確認できませんからね。難度高いです。

膀胱、リンパ節、腎臓の充血・出血があるかないか。が一つの目安になりそうです。このへんなら確認はそう難しくないのでなんとかなりそう。

当地の猟場には何カ所か養豚場が近くにあって、施設入り口には看板が出ています。「病原菌の持ち込みを防ぐため、関係者以外の立ち入りを禁止する」と。まさにこういったリスクを想定してのことでしょう。

今回、どんな経路で入ってきたのかわかりませんが、全国的にかなり大きな問題になりつつあります。殺処分。食べもしないのに、ただ殺すだけ。何千何万と殺して、埋めるだけ。

僕は普段から自分の手を汚しているので、きれいな手をした人よりその無念さを身近に感じられます。誰だって理解はできるでしょうが、ハンターの胸には理解に加えて実感も共感も生まれていることでしょう。

未だこの手でしとめたことのないシシですが、今期もしその機会があれば、チェックは厳重に。初めての体験だけど、見落としなくぬかりなくやってみせます。( ・`ω・´)

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Comment

  1. 白熊 より:

    養豚場の餌目当てにイノシシが来てたのかなぁと考えてます。
    豚コレラにかかった豚や発生した養豚場の豚は殺処分になるので、養豚場側も対応にあたる獣医師側も大変ですから早く収まるといいのですが…

    • spinicker より:

      狂牛病や口蹄疫が流行った時、ちらっと映った殺処分の映像が忘れられません。動物からすれば食べられようが食べられまいが同じなのかもしれないけど、殺して埋めるだけっていうのは…やはりつらい。
      けど、本当につらいのは世話してる人でしょうね。どういうルートから入ってきたのかを徹底的に究明して再発防止に努める。これが一番大事ですね。( ・`ω・´)

  2. バラクーダ より:

    これは誰も嬉しくない事象ですね。
    豚と人間はなぜか似ているところが多く、人間にも感染可能なんじゃないか?と疑っております。

    当方、第一種銃猟免許の免状が届きまして、晴れて合格しました。
    今後、エアライフルでの鳥猟をしたいなと思っていますが、獣猟にも絶対に声がかかるはずなので注意したいと思います。
    こちらは静岡県ですが、シカもイノシシもどちらもやってますね。
    猟友会によってシカ主体、シシ主体等はあるようですが。
    注意喚起ありがとうございます。

    • spinicker より:

      おお、おめでとうございます! 受かってると思ってましたよ!(・∀・)
      空気銃の鳥撃ちはスナイパー感が醍醐味です。モノが小さくて発見・回収が難しい時があるので、撃つ前にそのへんのことも考えておくと猟果上がりますよ。

      肝心の豚コレラですが、豚は確かに人間に近いところがあるみたいですね。豚の肝臓が人間に移植できるとかできないとか。
      農研機構も『世界的に報告されていません。』って言ってたけど、報告されてないだけですからね。そのあたりも気になるところです。

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