まずいと噂のハシビロガモを食べてみた結果。
公開日:
:
最終更新日:2016/10/24
ジビエ・ワイルド料理

ハシビロガモを獲ってきてから1週間。ついに実食の日が来ました!
今回は燻製にしてあります。今までに獲ったことのあるマガモ、カルガモ、コガモの全種でやってみた調理法なので、他種と味の比較がしやすいと思ったからです。
-
沸騰させた1リットルの水に塩150g、きび砂糖(きび砂糖は上白糖より深みが出ると思います)70gを投入したら、ブラックペッパー、ローリエ、ナツメグ、ガーリックを入れて香りをつけ、さらに20分ほど煮立てます。15%の食塩水にその半分弱の砂糖、お好みのスパイス。というのがピックル液の基本です!
-
常温まで冷ましたピックル液にカモ(今回画像を撮り忘れたので以前のコガモ画像を使っていますorz)を漬けます。今回はスパイスもいっしょに48時間漬け込みます。
-
容器に入れて漬け込んでもいいのですが、袋状のもの、ジップロックなんかに入れるとピックル液が少なくて済みます。1リットルあれば大ガモ(マガモカルガモ)でもなんとか間に合います。
-
48時間経ったらピックル液から出し、今度は2.5%の食塩水に12時間漬けて塩抜きをします。水1リットルなら塩25gですね。真水より薄めの食塩水に入れた方が浸透圧の作用で塩抜きがはかどるのです。
-
塩抜きが終わったら、風通しのいいところで陰干しにして水分を飛ばします。今回は24時間吊しておきました。気温の低い冬場はこれでいいですが、夏場は陰干しの代わりにラップを掛けず冷蔵庫に入れておくことにしています。
※手前の黒っぽい二羽は別の機会に射獲したキジバトです -
いよいよスモークにしていきます。スーパーいぶすくんの出番です! 桜のチップで30分ほどいぶします。
-
完成。なかなかいい色です! さて、ハシビロガモの燻製、お味はいかがかなっと。一羽まるまる豪快にいただきます!
-
・・・マジっすか。噂なんて当てにならないもんだ、めっちゃうまいんですけど! マガモより上とは言わないけど、それに近いレベル。肉の柔らかさはこっちのが上かも。脂の質もいいし、貶すところがないなぁ実際。
「鴨は赤足」、ただしハシビロはのぞく。とかって聞いたけど、うまいよハシビロも。一人が一度で食べきるにはちょうどいいサイズだし、味もコガモよりはこっちの方がよっぽど(・∀・)イイ! -
ぺろっと完食。あまりのうまさ、スモークの香ばしさに我を忘れて食い散らかしてしまいました。( ̄∇ ̄*)ゞ
試食中、一瞬だけ池の水のようなというか藻みたいな臭いがしたんですが、よく見ると被弾したところでした(このハシビロはボディショットでした)。これは仕方ない、僕の腕がよくないのが悪い。
スポンサーリンク
僕としても最初は噂どおり、ハシビロガモは臭い。臭いと思う。臭いんじゃないかな。ま、ちょっとは覚悟してたので、実は羽根のむしり方なんかははけっこう雑になってたんですけどね、今から思えば。言うなればそんな逆プラシーボをくつがえしてうまいと感じさせたわけだから、この結末は偶然じゃないと思います。
狩猟をしているといろんな噂が耳に入ってきますが、それらを検証するのもハンターの楽しみの一つ。時には今回のように、よくない噂が一発逆転! みたいなことがあると、ハンターでよかったなぁ、と思います! ごちそうさまでした! m(_ _)m
関連記事
-
-
ドングリの中で最も美味といわれるスダジイ(大泉緑地産)を食べてみた。
秋も深まって参りました。11月1日から猟期に入る地域では残すところ一か月。北海道はもう明日か
-
-
現役猟師が抱くジビエブームへの疑問!ジビエは本当に「おいしい」のか?
去年の11月に放映されたドラマ「狩猟雪姫」などの影響もあるのか、狩猟というアクティビティがメ
-
-
【グロ注意】所要5秒。ウサギの内臓を一瞬で抜く方法がすごい
まだしとめたことがないけど、おいしいという話を聞いているのでしとめたい、食べてみたいという狩
-
-
安いフードプロセッサ、テスコムTK440をジビエ料理用に買ってみた。
以前に本サイトの鹿料理「鹿のあらびきメンチカツ」でもさらっと登場したフードプロセッサ、テスコムTK4
-
-
知ってたけどやはり美味。アメリカナマズを釣って食ってみた。
一年の3/4が過ぎ去り、秋の気配が深まってきました。北海道はもう明日から猟期入りですかね。
-
-
風乾にちょっとだけ工夫が必要。夏場の燻製づくり。
後日作る予定のジビエ料理の材料として、何度目かのイノシシベーコンづくり。夏場の燻製づくりは冬場よりや
-
-
筋トレやダイエットにも!健康な体づくりに狩猟をおすすめする理由
世はまさに大健康時代。通販の商品なんかでも、半分以上がズバリ健康に関する効果をうたったサプリ
-
-
おいしく食べるために。しとめた鴨を冷凍保存する時に心がけている事
(ハンターの務めだと思って撃っている)カラスやカワウとはちがって、カモとくるとこれはもう10
-
-
今、解かれし封印。2014年に射獲した四年ものカルガモを食べてみた
去年の10月に「大丈夫?真空パック済み冷凍ジビエ(鹿肉・二年もの)を食べてみた」という記事を
-
-
ウナギ釣り&料理は難しいと思ってたけどやってみたら簡単だった。
梅雨の時期ってのはだいたい猟期終わってから次の猟期への中間地点らへん。世のハンターたちの狩猟
- PREV
- 「うまいぞ!シカ肉」書評!
- NEXT
- 狩りバカ日誌 2014年12月6日
Comment
はじめまして
ブログにコメント初めてですね。
本格的な燻製作り参考にになります。
私もハシビロが獲れたので3日間チルド室で熟成後日、臭いと噂で聞いていましたのでお腹にガーリックとローエを入れて軽く焼いた後、カレースパイスのペーストを擦り込み蒸し焼きして食べましたが肉も柔らかく美味しかったですよ。
鴨肉の特徴である肉のレバー臭がマガモと比べて少し強めでしたがこれは好みによりますかね。
お酒のあてに合う味かとおもいました。
コメントありがとうございます。お会いしたことは・・・たぶんないですね、まだ。猟期が終わったらまた笠取でお会いすることもあるかと! ^^;
やっぱりハシビロはいい噂聞きませんよね・・・。
燻製はいろんな人がいろんなレシピで作っておられますね。難しくはないけど手間がかかります・・・。でもおいしいから困るw
スズガモも燻製にするつもりですが、今から楽しみです! カレーテイストもいいかもなぁ。。。
初めまして。
いつも楽しんで読ませていただいてます。
ついつい、コメントしたくなったネタ…
関白宣言ですよね。
脱線すいません(笑)
・・・! な、なんのことでしょうかね? 僕はナウいヤングなのでそんな歌は知りませんよ! ( ;゚Д゚)
初めまして。車中泊楽しいですよね!
つたないブログですが、また覗きにきてやってください。m(_ _)m
料理界には癖の強い肉は燻せば何とかなるというレジェンドが(笑)
鶉や鰹とかもそうなんですけど藁の煙に含まれrおっと誰かが来たようだ。
それより最近鶏の屠場で働いていた方に毛を綺麗に毟る方法を伺ったところ、
やはり熱湯が手っ取り早い様です。蝋やらパラフィンやら扱っている動画を幾つか拝見しましたが、何か『これじゃない』感がしたのは個人の主観によるものでしょう。
まあ
大量の湯を用意する手間と蝋の費用を天秤にかけた場合、
環境も含めて単純にこっちがいいとは言いにくいものではありますが。
しかしこの動画を見る限り、とても早いと思いました。
【無修正】たった3分でニワトリを絞めてから丸裸にする方法
https://www.youtube.com/watch?v=0BaF2DG2fvU
いや早いんですけれども凄く熱いんじゃね?みたいな
確か鰹節は製法で有害な物質が出るとかなんとかで海外ではゆうがiうわなにをするやめry
…僕もロウむしりは試してみたんですが、溶けたロウにカモを漬けると泡が出てパチパチピチピチと音が出るんですよね。その様子が天ぷらみたいで、それ以降熱を加えて羽根をむしるのに抵抗がありまして。後片づけもかなり大変だし、ロウとカモの羽の水よけ脂がまざったニオイはきついしで今はもうやってません。一日で定数獲ってくる人ならいいかもしれませんね。僕は1羽か2羽獲ったら帰ってくるので、手むしりでもそれほど手間じゃないのです。(・∀・)
でも湯ならニオイしないだろうし、ロウよりは後片づけも楽だろうなぁ。